卒検でも卒業後も重要な歩行者保護の注意点

卒検でも卒業後も重要な歩行者保護の注意点

運転免許を取得するためには、運転技術だけでなく、道路交通法をしっかりと覚えておく必要があります。

自動車教習所の卒業検定では、道路交通法を守れているかなども見られます。

また、道路交通法を守らないと違反金などが発生し、最悪の場合、免許取り消しになることもあるため卒業後も注意が必要です。

道路交通法で、特に注意が必要なのが、歩行者保護規定です。

歩行中の死者の7割が横断中と言われており、歩行者保護は歩行者の命を守るためにも、運転者は気を付けなければいけません。

実際にJAFが2016年に実施した「交通マナーに関するアンケート調査」では、「信号機のない横断歩道で歩行者がわたろうとしているのに一時停止しない車が多いと思う」と回答した方が86.2%という結果がでています。

また、86.2%の内、「とても思う」と回答したのが43.7%、「やや思う」が42.5%。

このように、歩行者保護を守れない場合、卒業検定では1発不合格になります。

そこで今回は、卒業検定でも、卒業後も重要な歩行者保護の注意点などを解説していきます。

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そもそも歩行者保護とは?

歩行者保護といわれても「歩行者保護ってなに?」という方が多いと思います。

歩行者保護とは、歩行者の安全を守るために作られた道路交通法の規定で、主な例は以下の通りです。

  • 道路交通法第38条:横断歩道を通過する車両(自転車を含みます)は、横断歩行者がいる場合には横断歩道の直前で一時停止し、その通行を妨げてはいけない
  • 道路交通法第18条:歩行者のそばを通るときは、安全な間隔を保ち、又は徐行する

これらは、分かる方からすれば、あたりまえのように思えまずが、意外と守れていない方が多いのが現状です。

特に、横断歩道での停止率は低く、卒業検定において歩行者がいるのに一時停止をしないなど、歩行者保護の規則を守れないと不合格になってしまうので、特に注意が必要です。

元々、交通ルールでは、「横断歩道を横断しようとする歩行者等があるときは、当該横断歩道等の直前で一時停止し、かつ、その通行を妨げないようにしなければならない」と定められています。

また、歩行者保護を守れなかった場合、横断歩行者等妨害等になり、以下の処罰があります。

  • 罰則・・・3ヶ月以下の懲役又は50,000円以下の罰金
  • 違反点数・・・2点
  • 反則金・・・大型車12,000円、普通車9,000円、二輪車7,000円、原付車6,000円

反則金が高いことに驚いた方もいらっしゃると思いますが、歩行者保護を守らなければ、歩行者の命が失われることもあるため、歩行者保護は守らなければいけないということです。

実は歩行者がいる横断歩道の停止率は39.8%と低い

信号機のない横断歩道で歩行者が渡ろうとしていた場合は、運転者は一時停止をしなければいけません。

しかし、実際に歩行者がいる横断歩道の停止率は低いのが現状です。

実際に、JAFが2022年8月10日〜8月31日の間で、月曜日から金曜日、平日10時〜16時に信号機のない横断歩道での歩行者横断時における車の一時停止状況を調査したところ、雨などが降っていない日にのみ実施した結果、全国の停止率は39.8%。

1番停止率の低いところでは20.9%という結果になっています。

さらに細かく調査結果をみてみると、信号機が設置されていない横断歩道を通過した車は全部で7,540台、そのうち歩行者が渡ろうとしている場面で一時停止した車は3,003台です。

この結果から、歩行者が横断歩道で止まっている状況で、一時停止する車は約6割しかいないということが分かります。

卒業検定で歩行者保護の交通規則を守れなかった場合はその時点で検定中止となる

卒業検定には1発不合格があり、よく知られている項目といえば、車両が何かに接触、シートベルト未着用、教官にブレーキを踏まれる等ですが、歩行者保護の交通規則を守れなかった場合も、その時点で不合格となります。

信号のある交差点で、横断歩道を渡ろうとしている歩行者がいた場合は、譲れる方が多いのですが、信号のない交差点などに歩行者がいた場合は停止せずに通過してしまう教習生が多いのが実情です。

横断歩道があり、そこに歩行者がいる限りは信号があろうがなかろうが、絶対に譲らなければいけないので、卒業検定を無事に合格するためにも注意してください。

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歩行者保護の注意点を4つのケースから解説

歩行者保護は頭では分かっていながらも、できていない方が多いのが現状。

そこで、歩行者保護の注意点を以下の4つのケースにまとめました。

  • 横断歩道の手前で待っている人がいる
  • 横断歩道のない交差点を横断している歩行者がいる
  • 横断歩道を渡る人がいるかどうか確認できない
  • 歩行者のすぐ横を通過する必要がある

それぞれのケースについて具体的に解説していきます。

【ケース1】横断歩道の手前で待っている人がいる

横断歩道の手前で待っている歩行者がいた場合、通行を妨げてしまうと違反となってしまいます。

横断歩道の前で一時停止をして、道を譲らなければいけません。

ですが、悪気はなくとも横断歩道の手前で待っている歩行者に気づかず通過してしまう方が多いため、横断歩道の付近では、いつでも停止できるくらいのスピードで走行する必要があります。

これは、道路交通法第38条で決められている内容です。

横断歩道の手前で待っている方がいる時は必ず一時停止をして、道を譲りましょう。

【ケース2】横断歩道のない交差点を横断している歩行者がいる

道路交通法第38条の2では、横断歩道のない交差点も歩行者優先と決められています。

そのため、横断歩道のない交差点を歩行者が横断している場合でも、歩行者を優先しなければいけません。

横断歩道のない交差点を通過する時は、歩行者に注意しながら、徐行を行い、いつでも停止できる速度で走ると良いでしょう。

【ケース3】横断歩道を渡る人がいるかどうか確認できない

横断歩道を渡る方が明らかにいない場合は、そのまま走行することができますが、横断歩道を渡る人がいるかどうか確認できない状況の場合は、安全のためにも徐行をして、横断歩道の停止線で一度、停止すると良いでしょう。

もし、そのまま走行して、歩行者がいた場合、道路交通法違反になります。

最悪の場合、交通事故にもなり兼ねません。

そのため、明らかに横断歩道を渡ろうとしている歩行者がいない場合以外は、安全のためにも徐行を心がけましょう。

【ケース4】歩行者のすぐ横を通過する必要がある

道路の左側に設けられた安全地帯など、歩行者のすぐ横を通過する必要がある場合は、歩行者との間隔を開けて通過するか、徐行して歩行者と接触しないようにしなければいけません。

特に夜間などは、暗いため、歩行者に気づかない場合もあり、普段より注意して運転しなければなりません。

また、ハイビームなどを活用することで、夜間でも見やすくなります。

前方に車がいない時と対向車がいない時は、ハイビームを使用すると良いでしょう。

普段の教習から、歩行者がいる「かもしれない運転」を心がけよう!

今回は、卒検でも卒業後も重要な歩行者保護の注意点を紹介しました。

歩行者保護は、その名の通り、歩行者の身の安全を確保するために作られた道路交通法です。

横断歩道で渡ろうとしている歩行者がいる場合は、道を譲り、歩行者の側を車両で通行する場合は、間隔を取り徐行しなければいけません。

守らなかった場合は、3ヶ月以下の懲役又は50,000円以下の罰金など罰則もあるため、注意をしながら運転を心がけましょう。

また、卒業検定では、歩行者保護が守れないと1発で不合格になるので、普段の教習から歩行者がいる「かもしれない運転」を心がけるようにしてください。

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